CCD撮影での難問はフラット補正が完璧にはなかなか決まらないことにあります。
主な原因としてはL画像、フラット画像ともにバイアスをきっちり引いておくことを怠ってること。
理由はバイアスってのはCCDの回路が基本的に、例えば2000カウントとかを乗っけているので、L画像だけダークを引くことでバイアスも一緒に引かれるのに対しフラットはダークが一見不要に見えるため何も引かないため2000カウンドだけかさ上げされていることです。
フラット補正はL画像/フラット画像なので2000カウント分が影響してうまくフラット補正ができないことになります。
対策としてはフラットのダークの代わりにバイアスで代替させればとりあえず問題ないでしょう。
本題ですが、その他にフラット画像自体に撮影時に傾斜カブリ成分がのっかている場合です。
西の空と東の空で明るさが違うのでに薄明時天頂を向けても前後左右均等なフラットはまず撮れないことが多いです。
結果としてどうなるかシミュレーションしてみました。
上の図はL画像とフラット画像(以下F画像)を表しています。F画像は少しリニアな傾斜をもったカブリがあります。
このままフラット補正をすると下側の図のようになります。
全体として傾いているのはOKなのですが直線的になっていません。
そのままこれをカブリ処理をすると左側端は暗く右側端は明るいことになり簡単には済まなくなります。
ステライメージ7になってフラット補正時、中央部と4隅を一致させる機能が追加されました。
おかげで随分楽になりましたがフラット画像のカブリ(傾斜)に対しては試行錯誤でフラットのカブリ補正してからフラット補正処理に入ることが必要になることが大抵の場合あります。
フラットをELパネルなど均一な光源で撮るのがいいのですが必ずしもそうはいかないことが多いです。
L像の4隅とF画像の4隅の比率が全部ほぼ同じになるようにF画像をカブリ補正してからフラット補正しないといけないようです。