とりあえず改造の第一弾として1978年製の160J赤道のスラストBRGの改造は無事すみました。
もう一台のJP赤道儀はまだですが、若干の問題があるので少し考えてからにします。
部品として新たにカラーを2個手配していたのが届いたので準備はほぼOKです。
現在の赤経軸のドライブは、砲金の軸受けと平歯車との軸方向スキマが3mmほどしかなく、このままではさらに5mm少なくなるので、砲金の軸受けの後端を3mmほど削り飛ばすことが必要です。
そんなこともあって、おまけに暑いし、とりあえずいまのままで問題ないし、どうしようと思案中。
タカハシの職人技での調整は最高で、これを私がいじっても再現は不可能と自信をもって言えます(笑)
買った部品はこれ。 内径20mmと25mmで厚み5mmのカラーです。ステンレスで注文しました。
最初の改造はこのカラーまでも自作してましたが、平行度が悪くて締めると動きが悪くなって苦労しました。
次回は特注で作ってもらった部品でいきます。
さてと、赤道儀の駆動系のバックラッシュがいろいろ問題とのことですのでちょっとした考察です。
この図面はJP赤津儀のRA軸の駆動部分の一部をスケッチして描いたものです。
ウォーム軸は外径20mmでピッチが実測で約1.8mmでした。
圧力角20度と想定して、RA軸の歯数240枚からこの図を描いてみました。
ここで、ウォームのバックラッシュは調整しても、最小でも0.02mm以下には難しいと思います。
ウォームの偏心、ウォームホイールの偏心などを考えると通常は0.02-0.04mmが四季を通じてスムーズに動けるレベルではないでしょうか。
0.02mmのバックラッシュは直径137mmのウォームホイルですと角度でほぼ60秒角です。
一方、ウォーム軸を駆動している平歯車のバックラッシュは通常0.1mm程度です。
平歯車のPCDは48mmでしたので48*3.14=150mmなので0.1mm/150mm*1.8mm=0.0011mmのウォーム軸のバックラッシュと同等となります。
要するに平歯車のバックラッシュをなくしても5%の改善にしかなりません。
バックラッシュのないタイミングベルトにしたとしても大きな改善にはならないことが分かります。
実際の問題としてはRA軸は常に西側に押し付ける(東側を重くする)ことでバックラッシュの影響は考えなくていいはずです。
DECの方は難しいですが、極軸の合わせ方と鏡筒前後のバランスによって常に一方向に押しながら補正するように設定できればいいのでしょうね。
ウォームホイールという減速機構は古い技術ですがそれに変わる技術もなかなかないんですよね。
ハーモニックドライブとか住友重機のサイクロ減速機などがロボットの関節用として使われていますが、前者は剛性、後者はコストで赤道儀に使うのはまだまだ先のことかもしれません。
SBIGなどのAOシステムが今のところ最高だと思っています。そんなわけでいつまでもSBIGのCCDカメラしか使わないことになってます。